ユングの学説の功績とハイヤーセルフ

ユングの学説の功績とハイヤーセルフ
ユングの学説の功績とハイヤーセルフ

夢の研究を語る上で忘れてはいけないのが、フロイトのほかにもう一人います。

それはスイス人心理学者のユング(本名カール・グスタフ・ユング)です。

フロイトの自由連想法などの『夢判断』に惹かれて実質的にフロイトと師弟関係にあったユングですが、もちろん当初は仲良くしていたのですが、徐々にユングはフロイトの学説について疑問を感じるようになっていきます。そして、何とあろうことかフロイトの学説を否定するような学説を発表してしまいました。そのためユングとフロイトは大ゲンカし、関係は決裂したのでした。

心理学、とりわけ夢という領域は、人間の奥底に眠るものを見つける壮大にして、緻密な研究のため、考え方については非常に分かれるのでしょう。

 

余談ですが、ユングは自身の著書がきっかけとなり、尊敬していた師匠のフロイトの決別に対して立ち直れないくらいのショックを受けます。

だったら学説なんて発表しなければいいのにね、と思いますが、学者として真実を発表せずにはいられなかったのでしょう。

 

ではフロイトとユングはどの点でいわゆる学説の違いが出てきたのでしょうか。

それは「リビドー」の考え方の違いでした。

「内なる力」とでもいうべき無意識に存在しうる人間自身の持つ本来的なパワーを「リビド―」とフロイトは呼び、リビドーは「性的な衝動のパワーにこそ、その本質がある」と提唱しました。

しかし、ユングは、性的な衝動などと限定的なものではなく、はるかに広大な意味をもつものとして「リビドー」を再定義しようとしたのです。

 

◎「元型」共通するイメージを想起させる力動

ユングの患者であった精神疾患者らの語るイメージに共通点があること、またそれらは、世界各地の神話・伝承とも一致する点が多いことをユングは発見しました。

人間の無意識の奧底には、フロイトの言う個々人に偏った性衝動や性癖という類のものではなく、今言うならばDNAのようなもので人類共通の素地(集合的無意識)が存在すると考えるようになりました。

そして、その共通するイメージを想起させる力動を「元型」と名付けた。

ユングは後に、フロイトの言う「無意識」は個人の意識に抑圧された内容の「ごみ捨て場」のようなものであるが、自分の言う無意識とは「人類の歴史が眠る宝庫」のようなものである、と例えて、フロイトを批判するとともに自身の説について確固たる自信を持ったものと思います。これは、無意識の中には霊的な、スピリチュアル的な何かが宿っていると解釈したのです。

ユング心理学(分析心理学)はフロイトの精神分析学と個人レベルでは共通しているが、個人的な無意識にとどまらず、個人を超え人類に共通しているとされる集合的無意識(普遍的無意識)の分析も含まれるという点で、フロイトよりも先を進んだ心理学の在り方であったと思います。

 

◎能動的想像法による夢分析

ユングは、夢というものは集合的無意識としての「元型イメージが日常的に表出している現象」でもあり、また個人的無意識からにじみ出たものだと考えました。

そのため、ユングは心理臨床という点において「夢分析」は必要不可欠であり、最重要視するものと考えたのです。

精神患者に対する心理療法では、無意識からのイメージが意識に表れるのを待つ心理療法的手法「能動的想像法」を用いて夢分析のツールとしたのです。

ユング心理学の夢解釈がフロイトの精神分析と異なる点は、フロイトが性的背景を軸にして無意識を一方的に杓子定規で解釈するような誘導的なものではなく、患者とセラピストが対等な立場で夢について話し合い、その多義的な意味・目的を考えることによって、患者の心の中で巻き起こっていることを治癒しようとしました。

要は、一方的な医師の診断をして終わりではなく、患者と医師がじっくり話をしてともに何が無意識の中で起こって精神疾患を患っているのかを考える方がより真実の解決につながるとユングは考えたのです。

そうで、これが今の心理カウンセラー、臨床心理士というものの始まりなのです。

これはユングの大きな功績なのです。

フロイトとの関係は崩れましたが、治療方法というか、精神患者との向き合い方というものにユング真摯に取り組んだ結果なのではないでしょうか?

だからこそ、それが後世の今日に受け継がれたのでしょう。と私は思いたいです。

 

あなたは、「ハイヤーセルフ」とういう言葉をご存知でしょうか?

スピリチュアルの世界では「魂」という意味合いで、霊的なものとして捉えられています。

「ハイヤーセルフ」とは、高次の自己であり、高い次元から自分の全てを見通している賢いもう一人の自分ということです。

顕在意識にある自分ではなく、潜在意識と呼ばれるもう一人の自分のことです。

 

日常的に表れている顕在意識は、人間持つ意識の10%未満の数パーセントで氷山の一角なのです。

海中にある氷山の潜在意識が人間の90%を占めると言われており、潜在意識にこそ本質があるのです。

その潜在意識こそが、「ハイヤーセルフ」であり、そのハイヤーセルフを垣間見れるのは夢なのです。

ですので、あなたの状態に関すること、警告、予知についての夢は、あなた自身にある

高レベルのあなた自身「ハイヤーセルフ」からのシグナルなのです。

そのシグナルことが、私の大きな仕事であり、役目である夢判断であると信じています。

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